「ここがつらいんです」
そう言われる場所だけを、最初に見てほしい。
そう思って来院される方は、決して少なくありません。
つらさや違和感がはっきり出ている場所があれば、
そこに原因があると考えるのは、とても自然なことです。
日常生活の中でも、痛みや不快感は
「いま一番困っている場所」として意識に上りやすいからです。
つらさが出ている場所だけを見ても、理由が見えないことがあります
実際に体の状態を見ていくと、
「原因」と「つらさが出ている場所」が一致しないことがあります。
ある箇所がうまく動かなくなると、
体は無意識のうちに、別の筋肉や姿勢でその動きを補おうとします。
その結果、いつも以上に使われ続けた場所に、
つらさや痛みが出てくることが多くあります。
この場合、
つらさが出ている場所だけを見ていても、
「なぜそこに負担が集まったのか」という理由までは、
なかなか見えてきません。
私が大切にしているのは、つらさが出るまでの“流れ”です
当院では、
腹部・背中・背骨・腰骨といった体の要所を、
触診を通して読み取っていきます。
どこが強く使われ、
どこが支えに回り、
どこに無理が重なってきたのか。
そうしたつらさが出るまでの流れをたどることで、
痛みや違和感の大元に近づいていくことを大切にしています。
例えば、
その大元となっている筋肉や体の使い方を
一時的に支える形をとると、
痛みが和らいだり、
呼吸が深く入りやすくなるなど、
体の変化を実感される方もおられます。
これは、
つらさが出ている場所そのものではなく、
その手前にある要因に目を向けた結果として起こる反応です。
体の変化は、目に見える場所だけに起きているとは限りません
つらさが出ている場所は、
体からの大切なサインのひとつです。
ただ、そのサインだけを追いかけるのではなく、
そこに至るまでの流れを見ていくことで、
体の状態はまったく違った姿を見せることがあります。
「ここだけがつらい」
そう感じるときほど、
少し視点を広げて体を見てみる。
当院では、
その考え方を大切にしています。

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