「手術は終わったのに、気持ちが前に向かなくて……」
手術後に続いていた体と気持ちの状態
約3週間の手術入院をされた、50代の女性が来院されました。
全身麻酔による整形外科手術後、病院では1日1時間のリハビリを行っていましたが、それ以外の時間はほとんどをベッドで過ごしていたそうです。その影響で、特に足の筋肉が落ちた感覚が強く、動くこと自体が負担になっていました。
一番つらかったのは、手術跡の痛みとやる気が出ない状態でした。
体を動かしたい気持ちと、ついてこない感覚
体を動かしたほうがよいと分かっていても、気持ちがついてこない。そうした状態が続いていたようです。
このように、痛みが強いときや、全身麻酔の影響が残っていると考えられるとき、また気力が出にくい状態が重なっている場合には、自律神経への働きかけを考えることがあります。その際に選択する方法のひとつが百会灸です。
百会という場所と、百会灸の特徴
百会は頭のてっぺんにあるツボで、体全体の状態と関係が深い場所とされています。百会へ穏やかな温熱を伝える手法は、お灸が初めての方にも受けやすい方法です。
温かさを感じるまでにかかった時間の変化
通常、百会にお灸をのせると、数分で温かさを感じ始める方が多いのですが、この方の場合、最初は25分ほどかかりました。このことから、自律神経の反応が鈍くなっていた状態であったと考えられます。
施術を重ねていく中で、5回目あたりからは5〜7分ほどで温かさを感じられるようになりました。
反応を感じるまでの時間が短くなってきたことから、体は少しずつ変化している様子がうかがえます。
目に見えにくい変化への静かな働きかけ
自律神経は目に見えにくく、ご本人も変化を感じ取りにくいものです。百会をじんわりと温めることで、こうした状態に静かに働きかけていくことがあります。
当院では、このような経過が考えられる場合に、百会灸を用いることがあります。

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